パブリッシャーが逃げ道を探る
検索を取り巻く空気は、今日はやや落ち着いています。ただ、晴れたとは言えません。SERPの変動は、7月19日に7.2/10まで上がった9日間の荒れた動きから、足元では暫定4.6/10まで低下しました。昨日も6.4/10あり、順位変動そのものは落ち着きつつあります。一方で、Googleを巡る事業環境はむしろ不安定さを増しています。
いちばん大きな話題は、パブリッシャー側がGoogleとの向き合い方を見直し始めていることです。Search Engine Roundtableによると、USA Today、Politico、Reuters、People、The Economist、さらにRedditの可能性も含めた大手パブリッシャーが、AI回答によって元サイトへのクリックが減るなかで、Googleのクローリングを止めるべきかどうかを検討しているとのことです。もちろん、小規模サイトの運営者が明日からGoogleを遮断すべき、という話ではありません。ここで押さえるべきなのは、自分で握れていないトラフィックは、以前ほど当てにできなくなっているという点です。メールリストを育てる。直接訪れる読者を増やす。指名検索を生む。名前で探されるコンテンツを積み上げる。いま必要なのはそうした土台です。
ヨーロッパはGoogle検索のルールを書き換え続けている
Search Engine Landは今日、EUからの新たな圧力を取り上げました。GoogleがSearchとGoogle Playで自社サービスを優遇したとして、制裁金を科された件です。Euractivによれば、総額は8億9,000万ユーロ。内訳はSearch関連が4億6,000万ユーロ、Play関連が4億3,000万ユーロです。
Search Engine Roundtableは、EU圏のホテル検索結果にも変化が出ていると報じています。新しいホテルモジュールの導入によって、Google、旅行プラットフォーム、ホテル公式サイトのあいだで、表示のされ方や見られ方が変わる可能性があります。
AI検索の計測は、まだ霧の中です
Search Engine Journalが今日強く打ち出していた論点は明快です。AI上での露出は増えている一方で、オーガニック流入に依存するサイト運営者にとって、その貢献度は相変わらず見えにくいままです。SEJはこの状況を、かつてGoogleがキーワードを「not provided」で見えなくした時期になぞらえています。そして、より深いコンバージョンデータは無料の管理者向けツールではなく、広告プロダクトの側に集まっていく可能性が高いと警告しています。
その一方で、Google公式のSearch Central changelogは、引き続き実務寄りの更新が中心です。canonicalizationの反映タイミングや、merchant structured dataの整理など、ドキュメント改善が主な内容になっています。
まとめ
今日の順位変動だけで慌てる必要はありません。ただし、計測体制は見直すべきです。直接つながる読者の獲得にも、もっと力を入れるべきです。そして、Googleで見つかれば自動的にトラフィックが増える、という前提はもう捨てたほうがいいでしょう。